ラクシミと弟達は小さな薄暗い部屋の片隅で涙を流し、耳を塞ぐ生活が続きました。更に追い討ちを掛けるように親類の一人が、手練の限りを尽してラクシミを人身売買しようと企てました。当時13歳のラクシミには、とても背負いきれない数々の不幸が一気に襲って来たのです。
深い悲しみに沈むラクシミを救ったのは、ヤッギャ・シャキャ校長はじめヒマラヤ小学校の先生たち、同じ目標に向かって学ぶ友達、そして大好きな歌でした。シャキャ校長は懸命に3人を支え、ラクシミを人身売買の危機からも救いました。ラクシミは気持ちを大好きな歌に託すことで少しずつ悲しみを乗り越えていきました。もちろん友達の存在と励ましはラクシミを勇気づけ、笑顔を取り戻す大きな力となりました。
昨年8月、ラクシミは「歌唱コンテスト」で、自ら作詞・作曲を行った『遠くからナマステ』を熱唱し、優勝という快挙を成し遂げました。事件から3か月、一歩成長した姿を私たちに見せてくれました。
その後、歌に大きな希望を見出したラクシミは、自分の気持ちを全てぶつけながら詩の創作と歌作りに励みました。昨年11月には日本でラクシミの詩集がチャリティ販売され、今年4月には『めぐりの会』の全面的な支援を受け、詩集の売り上げを元に自作曲をレコーディングする大きな機会に恵まれました。今般、CD「ねがい」として、素直でのびのびと歌う真剣なラクシミの姿を、皆さんにお届けすることになりました
事件から1年、悲しみを乗り越えながら、未来への希望を胸に逞しく成長するラクシミ。今日もラクシミの優しい歌声が村にこだましています。
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